ぴかぴのじみろぐ。

日々の記録。地味です。

『ゲン』騒動で考えたあれこれ。  

8月の記事に原爆忌のことをUPしたら、kuishinbouさんからコメントを頂きまして、そこに「経験者がいない世の中になると、ちゃんと伝わっていくのかしらと思いますね。」とありました。で、本当にそうだな~と思っていた矢先にあの原爆マンガの閲覧騒動でございます。

今更ですが、長崎は原子爆弾「ファットマン」に散々な目にあったところなので、こと、平和とか反戦とかは熱心です。なので、勿論、子供の学校図書室にはゲン君が置かれていました。そして、図書室のなかで、唯一の漫画でしたから、勿論子供達は読みます。

ゲン君、ボロボロでした。
当時、学校図書室のあまりの惨状に、私の学年の保護者が中心になって、図書ボランティアを立ち上げていました。
図書室の本を台帳とあわせて分類したり、本の修理をしたり、新しい本を購入したりをやっていました。なんせ蔵書がものすごく少なく、台帳にあっても実際にはない本もある、表紙がぼろぼろなのはともかく、辞書や辞典はおそらく調べたところを破りとって持って帰ったと思われるやぶれ方。それは多くの子供達が読んだ結果のぼろぼろではなくて、マナー違反のボロボロでした。

が、ゲン君に関しては、おそらくは多くの子供達が読み漁った結果としてのボロボロでした。

勿論、図書ボランティアで、故障本ってことで修理棚に保管しました。そのときに、結婚前に他の地方で教員をしていたメンバーがぽそっと「いろいろと厄介な本だよね」と言ったのを覚えています。理由はまあ、今回問題になった性的、暴力的なところと、ゲン君の連載が、前半分は少年ジャンプ、後半分が共産党の機関紙だったとかいうところです。そう、公立の義務教育の現場で、宗教と思想の絡むものはタブーなわけです。ファシズムとコミュニズムはダメなんですわ。

教育現場で思想と言うと、どうしても右寄りにばかり危険信号が行くけど、むしろ多くの民主主義国家は大体コミュニズムに対して国単位で警告しています。特にユーロなどやはりナチズムの影響でしょうね。なので、日教組でもなかった友達がコミュニズムの代表な共産党の機関紙で連載されていたマンガを、ある意味規制なしの小学校の図書室に置くことに抵抗があったのは仕方の無いことと思います。

しかし、マンガと言う形で戦争体験を伝えるという本は少ないです。水木しげる氏のものは小学生にはちょっと難しいし、手塚治虫氏のは(『アドルフに告ぐ』とかですが)、舞台が日本じゃないし、どちらも原爆の記述が少ないです。活字本なら永井博士のが割りと充実していたのですが、小学生の心に残るという点で、マンガにかなうものはないかと思いました。それで、取り合えずそのときは修理して、元の本棚に戻したのです。

で、最近の騒ぎになって、ウチの娘に聞いてみたのですが、確かにゲン君は読んだ。でもあまり記憶にない!だそうで、当時も読んだからと言って怖いと思ったりもしなかったそうです。…伝わってないじゃん、戦争体験も原爆体験も。

それで、娘が何を持って戦争の怖さを感じたかというと、自衛隊に残っていた特攻隊に行った人達の親にあてた遺書だったそうです。たまたま見学する機会があったそうですが、足が震えたと言っていました。こんな辛い、ひどい、悲しいことがある。こんな風に死んでいかなきゃいけない人達が居るって思うと、戦争の怖さと理不尽さがひしひしと伝わってきたと言ってました。因みに私の末の妹は長野県の『無言館』で作品に対峙したときに戦争の恐ろしさに震えたと言ってました。真実を伝えるのは声なき声かもしれませんね。

長崎には原爆の語り部という人達がいて、修学旅行で来崎した子供達に原爆の怖さを語って教えるそうです。それも方法ですが、人の記憶はどんどん薄れるし、自分にも言えるのですが、都合のいいように脚色されてしまう。このところ語り部達が年老いたので、次世代の語り部を育てるということですが、そうなるとますます薄れて伝わらないものが増えるんじゃないかと思います。そしておそらくは、今生きているある意味幸福な人達が公的に保障された場で何を言っても、本当の悲劇や理不尽さは伝わりにくいんじゃないかなと思っています。

因みに私はゲン君は読んでません。単に画が嫌いだからです。
でも母親なので誰に教わらなくても十分戦争の怖さを推理できます。子供達の安全が脅かされるとき、すべての母親はどんな手を使ってでも、そういう世の中を阻止すると思います。それが戦争への抑止力になればいいなと思っています。そのときだけは負けないわ。

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category: ふつうの日

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コメント

No title

あの閲覧騒動は何だったんでしょう。
子供が小さい時に私も初めて読みました。でも、全部読んでいるわけではありません。大人になると何となく漫画は読みづらくなってしまって。
広島の原爆資料館も一度も言ったことがないので、一度行ったほうがいいかななんて思っています。

2020年のオリンピックは東京になりましたが、原発の問題も抱えて本当に大丈夫か??って思ってしまいます。この先どうやって終息させるかも決まってないのに。いや、福島の人には気の毒ですが終息はできないと思いますが。

URL | kuishinbou #-
2013/09/08 19:09 | edit

kuishinbouさん!

コメント有難うございます。

そうなんですよね~大人になると本当にマンガが読みにくくなってしまいます。私は漫画大好きなので、自分で驚いてます。

ヒロシマは大きな原爆ドームが残っていますよね。私も一度言ったことがあります。ナガサキは爆心地が教会のすぐそばでしたから、被爆した教会は整理され、新しいものが建ちました。アメリカの政策だったようです。(キリスト教信者を攻撃した事が後々アメリカの世界での立ち位置の不利益になるらしいです。そりゃそうですよね。世界中のキリスト教徒を敵にまわすと怖いですよね)

オリンピックはともかく、コレを機に景気が上がるとか、国土が強靭化されたらいいなと思っています。
とりあえず、安倍総理も世界を相手に公約しちゃったようなものですから、もう何が何でもフクシマにガチで取り組むしかないでしょう。むしろそのことで、早くフクシマが落ち着けばいいなと思っています。長い時間がかかる部分もあるでしょうが、その前にきちんとやっておくべきことが沢山ありますよね。

URL | ぴかぴ #YpqZtgVo
2013/09/09 11:23 | edit

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